日本映画プロフェッショナル大賞(通称・日プロ大賞)について
日本映画プロフェッショナル大賞は、混迷する日本映画の中で、健闘しながらも諸々の理由からその存在が過小評価されがちな作品にスポットを当てようと意図された映画のイベントです。諸々の理由とは、公開の在り方、宣伝の行き渡り方、批評の一面性などであり、そうした理由の幾つかによって作品そのものが、なんとも不幸な受け入れられ方をしてしまう日本映画の現状を、イベントによって浮き彫りにするとともに、その隠れた功労者に敬意を表しようという目的があります。
この通称“日プロ大賞”は2016年で第25回目になります。過去、作品賞では「
真夏の地球
」(
村上修監督
)、「
ひき逃げファミリー
」(
水谷俊之監督
)、「
月はどっちに出ている
」(J MOVIE WARS版/
崔洋一監督
)、「
凶銃ルガーP08
」(
渡邉武監督
)、「
新・悲しきヒットマン
」(
望月六郎監督
)、「
Helpless
」(
青山真治監督
)、「
CURE
」「
蛇の道
」「
カリスマ
」「
アカルイミライ
」(
黒沢清監督
)、「
どこまでもいこう
」「
害虫
」(
塩田明彦監督
)、「
殺し屋1
」(
三池崇史監督
)、「
下妻物語
」(
中島哲也監督
)、「
いつか読書する日
」(
緒方明監督
)、「
ヨコハマメリー
」(
中村高寛監督
)、「
それでもボクはやってない
」(
周防正行監督
)、「
接吻
」(
万田邦敏監督
)、「
私は猫ストーカー
」(
鈴木卓爾監督
)、「
川の底からこんにちは
」(
石井裕也監督
)、「
監督失格
」(
平野勝之監督
)、「
SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者
」(
入江悠監督
)、「
ぼっちゃん
」(
大森立嗣監督
)、「
百円の恋
」(
武正晴監督
)。主演男優賞では
本木雅弘
(「
遊びの時間は終らない
」)、
佐野史郎
(「
くれないものがたり
」他)、
石橋凌
(J MOVIE WARS版「
月はどっちに出ている
」、「
新・悲しきヒットマン
」)、
豊川悦司
(「
undo
」「
やわらかい生活
」他)、
浅野忠信
(「
Helpless
」他)、
原田芳雄
(「
鬼火
」)、
哀川翔
(「
蛇の道
」他)、
西島秀俊
(「
ニンゲン合格
」「
CUT
」他)、
千原浩史
(HYSTERIC」)、
寺島進
(「
空の穴
」他)、
岸谷五朗
(「
新・仁義の墓場
」)、
オダギリジョー
(「
アカルイミライ
」他)、
藤竜也
(「
アカルイミライ
」他)、
加瀬亮
(「
アンテナ
」「
それでもボクはやってない
」)、
藤原竜也
(「
カメレオン
」)、
菅田俊
(「
ポチの告白
」)、
高岡蒼甫
(「
さんかく
」)、
井浦新
(「
11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち
」他)、
高良健吾
(「
横道世之介
」)、
池松壮亮
(「
愛の渦
」「
海を感じる時
」他)。主演女優賞では中嶋朋子(「
あさってDANCE
」)、西村知美(「
爆! BAKU
」)、
石田ひかり
(「
はるかノスタルジィ
」)、
鈴木砂羽
(「
愛の新世界
」)、
内田有紀
(「
花より男子
」「
ばかもの
」)、
川上麻衣子
(「
でべそ
」)、
西田尚美
(「
ひみつの花園
」)、
田中麗奈
(「
がんばっていきまっしょい
」、「
はつ恋
」他)、
吉本多香美
(「
皆月
」)、
麻生久美子
(「
回路
」他)、
森口瑤子
(「UNloved」)、
池脇千鶴
(「
ジョゼと虎と魚たち
」)、
寺島しのぶ
(「
ヴァイブレータ
」他)、
蒼井優
(「
花とアリス
」)、
田中裕子
(「
いつか読書する日
」他)、
小泉今日子
(「
空中庭園
」)、
中谷美紀
(「
嫌われ松子の一生
」他)、
石田えり
(「
サッド ヴァケイション
」)、
小池栄子
(「
接吻
」)、
ぺ・ドゥナ
(「
空気人形
」)、
榮倉奈々
(「
東京公園
」他)、
前田敦子
(「
苦役列車
」「
もらとりあむたま子
」)、
二階堂ふみ
(「
私の男
」「
ほとりの朔子
」他)といったユニークな作品、そうそうたる受賞者を選出してきました。
審査員は、映画の様々な部署に携わって活躍を続けている文字通りの映画のプロフェッショナルたちに依頼しています。プロデューサー、脚本家、映画評論家、ジャーナリスト、劇場支配人、宣伝担当者などで、日本映画に対して独自のポジションで関わり続けている人ばかりと言っていいでしょう。評論家的視点のみではないかなり雑多な、だからこそ一つの枠に囚われない日本映画のユニークな形がそこに表れるのだと思っています。
このイベントの運営・実行は、映画前夜社主催者でもある私、
大高宏雄
を代表者に、その意に賛同してくれた少数者が一切を取り仕切っています。はっきり断言しておけば、バックは何もありません。イベントを支えている資金的援助どころか、何らかの後援の類は全く関与していません。真に独立した、日本で唯一の映画祭であると自負しているとともに、そういう無謀な試みが21世紀の映画のある地点に密やかながら息づいているのだとご理解いただきたいと思います。何卒、ご協力の程をよろしくお願いいたします。
大 高 宏 雄
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